福岡市の税理士 税理士法人 福岡中央会計
「税務最新情報」

2018年6月19日 民泊による所得の課税関係

住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月15日に施行されました。国税庁は13日、「住宅宿泊事業法に規定する住宅宿泊事業(いわゆる「民泊」)により生じる所得の課税関係等について(情報)」を公表しています。
国税庁HPはこちら↓

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/0018005-115/0018005-115.pdf

 
これによると、所得区分は、自己が居住する住宅を利用して民泊を行うことによる所得は、原則として雑所得に区分されます。利用者から受領する対価には、部屋の使用料のほか、家具等の賃貸料やクリーニング代、水道光熱費、室内清掃費、日用品費、観光案内等の役務提供の対価などが含まれています。

 
ただし、不動産賃貸事業者が、一時的な空き部屋を利用して民泊を行った場合に得る所得は、不動産所得に含めても構いません。
また、専ら民泊で生計を立てるなど、民泊が所得税法上の事業として行われていることが明らかな場合は、その所得は事業所得に該当するとしています。

 

 

2018年2月2日 仮想通貨の利益に対する課税

なにかと話題の多い仮想通貨ですが、昨年ビットコインなどの仮想通貨で儲けを得た方は、3月15日までに確定申告が原則必要です。所得区分は、一般的には「雑所得」となります。

 

ただしサラリーマンで、儲けが20万円以下の方については、その他に所得がない場合、確定申告は不要です。

 

仮想通貨の利益とは、単に売却をしてキャッシュを得た場合以外にも発生するので、注意が必要です。
たとえば仮想通貨を使って買い物をした場合には、仮想通貨の購入時価と買い物決済時価の時価差額を利益と認識します。
また、仮想通貨を他の仮想通貨と交換した場合にも、仮想通貨の購入時価と交換時点での時価差額を利益と認識します。

 

逆に仮想通貨で雑所得の損失が生じた場合、雑所得以外の他の所得と損益通算することはできず、損失の繰越もできませんので、税務上の救済はないと考えなければなりません。

 

 

2018年1月18日 配偶者居住権は相続手続きを円滑にするか

法務省は16日、被相続人の遺産分割で配偶者の優遇を図る民法改正案を次の通常国会に提出する方針を固めました。配偶者が相続開始時に居住していた建物に住み続ける権利「配偶者居住権」を新設するのだそうです。
居住不動産を遺産分割で取得してしまうと、法定相続分で考えた場合、自宅以外の相続財産の取り分が少なくなるので、自宅をより評価の低い「配偶者居住権」に置き換えて、他の財産もより多く取得させてあげようという話のようです。

 

さて、自宅評価で他の財産の取り分が少なくなってしまう、という相続なので、さほど大きな相続案件ではないでしょう。1億円をMAXと考えればよいかと思います。
たとえば土地2500万円、家屋500万円で、自宅評価総額3000万円であったとします。
配偶者居住権をどのように評価するのかわかりませんが、かりに1000万円とすると、居住権を伴わない自宅評価額は、これを差し引いた2000万円になるのかと思います。
配偶者居住権で保護されなければならない環境の配偶者と、子は同居していないでしょうし、子は自宅を別に所有していると考えられます。居住権なしの自宅評価は、おそらく小規模宅地の特例の恩恵を受けないことになります。

 

ここで、上記のケースで相続財産が1億円であったとき、配偶者がそのまま居住用不動産を相続した場合と、配偶者居住権を相続した場合の相続税を比較してみます。配偶者と子2人のケースです。
配偶者が居住用不動産を相続した場合、小規模宅地の特例が使えるので、土地評価の80%すなわち2千万円が減額されます。自宅評価は1千万円ですが、分割は評価減を行う前の3千万円をベースにします。法定相続分で残り取得すべき財産は2千万円。相続税評価に戻すと、自宅1千万円+その他2千万円=3千万円となって、相続財産総額の50%に届かず、配偶者軽減の恩恵が少なくなります。税負担はおよそ220万円。
これに対して、配偶者居住権を相続した場合で、小規模宅地特例が使えない場合の、同条件の相続税は315万円。
相続税負担は100万円ほど増え、負担者は子になります。
二次相続は、いずれも5千万円の相続なので、80万円の同負担額になります。

 

配偶者居住権で保護しなければならない親と、おそらく仲の良くない子の、利害の対立する相続です。わずか100万円が両者の溝を決定的にしなければよいのですが。そう思います。

 

 

2018年1月11日 医療費控除の手続き 国税庁HP

国税庁は1月4日、HP上に「医療費控除に関する手続きについて(Q&A)」を掲載しました。

 

国税庁HP↓

http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/iryohikozyoQA.pdf

 

平成29年度税制改正で同年分以降の所得税の確定申告において、医療費控除の適用の際に、医療費の領収書を確定申告書への添付又提示から、医療費の領収書に基づいて必要事項を記載した「医療費控除の明細書」の添付へと改正されたことを受けたものです。
Q&Aでは、主に医療費控除の明細書に代えて一定の記載があることを条件に提出が認められている、医療保険者が被保険者に交付する「医療費通知」の注意点を中心に掲載されています。

 

例えば、医療費について自治体の助成、未収金などにより、窓口で自己負担額の減免があるにもかかわらず、その金額が「医療費通知」に反映されていない場合は、減免分を除く実際に負担した医療費の額に基づいて医療費控除の額を計算することになります。
そこで「医療費控除の明細書」の「1 医療費通知に関する事項」のうち「(2) (1)のうちその年中に実際に支払った医療費の額」欄へ実際に支払った医療費の合計額を記載し、「医療費通知」に減免分がある旨を付記した上で、「医療費控除の明細書」と「医療費通知」を確定申告書に添付する必要があるとしています。

 

 

2017年11月21日 2019年から「スマホ申告」開始

政府税制調査会は今月開催の総会で、税務手続きの電子化について議論しました。その中で財務省は電子化の行程表を提示し、2019年1月からスマートフォンで確定申告できるようにする方針が示されました。

 

現在、e-Taxで申告する際には、ID、パスワードに加えて、マイナンバーカード、ICカードリーダライタによる本人認証が必要です。
スマホ申告では、サラリーマンの副業増加などにより個人で確定申告する人が増えていることから、納税手続きの簡素化を図るようです。
当面は、税務署が本人確認の上で発行するIDとパスワードを、スマホ専用の申告書作成コーナーに入力して申告するかたちをとりますが、いずれはマイナンバーカードと連携させて、税務署発行のIDやパスワード入力も省略する方向です。

 

「スマホ申告」は、まずは医療費控除やふるさと納税など、特にニーズが多い基本的な手続きから実現し、段階的に利用できる範囲を広げて、最終的には基本的にスマホのみで手続きが簡潔するしくみを目指すのだそうです。

 

 

2017年10月20日 休眠会社の「みなし解散」

去る10月12日、法務省は休眠会社等の整理作業を行うため、12年以上登記のない会社、5年以上登記のない一般社団・一般財団法人に対する法律の規定に基づく法務大臣の公告を行うとともに、該当する休眠会社等に管轄登記所からその旨の通知書を発送しました。

 

この公告により、これらの休眠会社等は、公告の日(10月12日)から2ヵ月以内となる今年12月12日までに、
1)役員変更等の登記の申請、
2)「まだ事業を廃止していない」旨の届出
のいずれか行わない場合は、同月13日付で解散したものとみなされ、職権で解散の登記がされます。

 

なお、対象となる12年以内又は5年以内に登記事項証明書や代表者の届出印の印鑑証明書の交付を受けていたかどうかや、通知書が届かない場合も、関係なく期限を過ぎると解散となることから、経営者等は確認が必要です。

 

 

2017年10月11日 被相続人の居住用財産の譲渡特例

平成28年度税制改正で、相続によって取得した被相続人の居住用不動産の売却にも、3千万円控除の道が開けるようになりました。
ところが相続のご相談で、その売却物件が「昭和56年5月31日以前に新築」の要件を満たしておらず、3千万円控除の特例が使えないケースが多いことにも気づきます。

 

日付によって特例適用に差があるのは、昭和56年6月の建築基準法の改正により耐震基準が大きく改善されており、それ以前の建築については「空き家」のリスクが大きく、特例による救済が必要という政策的な判断からです。

 

さて、昭和56年5月31日以前に新築した物件で、未登記の場合には、「確認済証(同日以前に交付されたもの)」や、「検査済証(交付年月日が同日以前のもの)」、「建築に関する請負契約書」により証明できれば特例の適用が認められます。
また、新築日は昭和56年5月31日以前だが、その後増築したことが登記事項証明書に記載されている場合でも、3千万円控除の特例の適用は可能です。

 

 

2017年9月21日 医療費控除の必要書類に変更

国税庁はホームページに「29年分確定申告の医療費の明細書添付の義務化のお知らせ」を掲載しました。

 

国税庁ホームページ

↓ ↓ ↓

http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/iryoukoujyo_meisai.pdf

 

平成29年度税制改正では所得税の医療費控除の見直しが行われ、これまで医療費控除の適用を受けるために確定申告書とともに必要だった医療費等の領収書の添付又は提示から、「医療控除の明細書」の添付に変更されました。

 

HPには、今回の改正のポイントとして医療費控除の明細書の添付が必要になったこととともに、確定申告期限等から5年間、医療費の領収書を保存する必要があり、税務署から求められた場合には提示又は提出する義務があること、医療保険者から交付を受けた医療通知書を添付することで明細の記入を省略できることを説明しています。

 

また、経過措置として平成29年分から31年分までの確定申告については、これまでの医療費の領収書などを確定申告書に添付するか、確定申告書を提出する際に提示することも認められていることを説明しています。

 

 

2017年9月7日 法定相続情報証明制度と相続税申告

平成29年5月29日から『法定相続情報証明制度』が施行され、相続手続きの負担が軽減されました。
『法定相続情報証明制度』とは、法務局に
(1)被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍関係の書類等 、
(2)(1)に基づく法定相続人情報一覧図(被相続人の氏名、最後の住所、生年月日及び死亡年月日、並びに相続人の氏名、住所、生年月日及び続柄の情報)
を提出すると、『認証文付き法定相続情報一覧図の写し』を交付してもらえるというものです。
 

従来は複数の不動産の相続手続きをする場合、管轄法務局ごとに戸籍関係書類一式を用意しなければなりませんでしたが、『認証文付き法定相続情報一覧図の写し』は無料で必要な分だけ取得でき、戸籍書類一式に代わって相続登記に利用できます。
金融機関での被相続人にかかる預金等の払戻しにも利用できる予定なので、戸籍関係書類をいくつも用意する必要がなくなり、相続手続きの負担が軽減されます。
 

ただし相続税申告書には、法令で『被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍の謄本』を添付することが定められています(相続税法施行規則16条3項)。
この『認証文付き法定相続情報一覧図の写し』が戸籍謄本に代わる申告書の添付書類として認められるには、法令の改正が必要であり、それまでは相続税申告で利用することはできませんので注意が必要です。

 

 

2017年7月19日 遺産分割の対象にならない財産

今日の日経新聞1面に、配偶者に生前贈与した居住用物件は、遺産分割の対象にしないよう見直す試案を、法制審がまとめたことが載っていました。
生前贈与分についても、このような取り扱いだったのかと、改めて認識した人も多かったのではないでしょうか。
預貯金に対する、遺産分割の考え方も、この数年で大きく変わっています。
つい最近まで預貯金払戻請求権は,相続開始とともに法律上当然に分割されて,各共同相続人が相続分に応じて権利を取得するため,原則として遺産分割の対象とならないと解されていました(最判平成16年4月20日等)。
ところが、現在では預貯金払戻請求権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることなく,遺産分割の対象になると解されるようになっています(最大判平成28年12月19日)。
民法の原則について、整理をすることの重要さを痛感します。

 

 

2017年4月29日 中小企業等投資促進税制と、他の租税特別措置法特例との重複適用

中小企業等投資促進税制を適用した場合、所得拡大促進税制を適用することは可能か?
答えは「可能」なのですが、税務署等に問い合わせるとまちまちな答えが返ってくるようです。
不可だと答える側の根拠は、国税庁タックスアンサー「No.5433 中小企業等投資促進税制」の以下の記述です。
「9.その他の注意事項 (2) この制度による特別償却又は税額控除の規定の適用を受けた場合は、研究開発税制を除き、租税特別措置法上の圧縮記帳、他の制度による特別償却又は他の税額控除の規定との重複適用は認められません。」
しかし、これは「資産について」特別償却など他の租税特別措置法上の特例を受けた場合に、中小企業等投資促進税制の「重複適用が不可」だと言っているだけで、それ以上の制限を課すものではありません。
本来、実務家向けにわかりやすい解説をするはずのタックスアンサーが、かえって混乱を呼んでいるケースです。

 

 

2017年1月6日 平成29年度改正における投資促進税制

平成29年度税制改正大綱により、投資促進税制が改組、新設されています。やや多岐にわたり混同しやすいので、おおまかにまとめてみます。

①生産性向上設備投資促進税制は平成29年3月末に廃止

②中小企業投資促進税制は対象資産から器具備品を除外したうえ、平成31年3月31日まで延長

③中小企業商業・サービス業・農林水産業活性化税制も平成31年3月31日まで延長

④中小企業経営強化税制を創設

となり、平成29年4月1日から平成31年3月31日までは、②~④が並行して存在することになります。

この中で新設される中小企業経営強化税制は、経営力向上計画の認定を受けた中小企業者等について、取得価格までの特別償却(すなわち即時償却)と取得価額の7%の税額控除(特定中小企業者等は取得価額の10%の税額控除)とを選択できるというものです。
対象者が経営力向上計画の認定を受けることが、条件となっていますので、経営革新等支援機関(弊事務所も認定済み)のサポートによる計画書の作成が必要です。

 

 

2016年12月19日 類似業種比準方式の変更

平成29年度税制改正の中で、特に注目される項目のひとつとして、非上場株式の類似業種比準価額の計算方式の変更があります。
配当・利益・純資産の比重を1:1:1に変更し、分母を3にするというものです。
これでは、所得軽減の株価に対するインパクトが減少してしまいます。
さらに厄介なのが、持分のある医療法人の出資評価です。
大綱では言及されていませんが、利益:純資産の比重が1:1に変更され、分母が2に変わると、出資評価の減少効果が激減します。2要素以上ゼロにならない前提で、評価対象年度の利益をゼロとした場合、分母が4のときに比べて分母2では、出資評価は2倍に跳ね上がります。贈与税を払ってでも「出資持分なし」に移行しようとする医療法人のハードルが格段に高くなってしまうのです。今後の具体的な改正に注目したいと思います。

 

 

2016年7月12日 類似業種「その他の産業」の最新値

6月に公表された、平成28年度類似業種比準価額のうち、「その他の産業」に注目してみます。出資持分あり医療法人の出資評価に用いる重要な指標ですので、毎年注意が欠かせません。

 
A値の平成27年平均は298であり、おおむね昨年各月平均値に近く、標本会社の変更による大幅変更という恐れは、とりあえずなくなりました。昨年に引き続き、医療法人の事業承継のための環境は、大きく悪化はしていないと言えます。

 

名南経営さんが日経平均推移と「その他の産業」推移とを比較したグラフを載せていて、これを見ると平成26年の「その他の産業」の値がいかに、法外に高かったかが実感できます。

http://blog.livedoor.jp/shingo_nakamura/archives/1058594082.html

 

 

2016年6月15日 給与加算の学資金非課税

国税庁は5月30日付で、「『所得税基本通達の制定について』の一部改正について(法令解釈通達)」の趣旨説明を公表しました。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shotoku/h28tsutatsu.pdf

 

平成28年度税制改正では、給与所得者が通常の給与に加算して受ける学資金が新たに非課税とされています。本年4月1日以後に受ける学資金から非課税扱いとなりました。
クリニックで看護師さんなどに支給される学資金の扱いは、税務調査などで争点となるところでしたが、今回の通達改正で一応の決着を見ることになります。

 

今回公表された通達の趣旨説明では、通常の給与を減額し、その減額分を学資金として受けた場合は非課税にならないことを例示して、留意するよう呼び掛けています。
非課税制度の悪用をあらかじめ封じておく狙いですが、支給者側としては「本来の給与」と「学資分」とを給与規定などで明らかにしておく必要があります。