医療法人出資評価をめぐる最高裁判決
最高裁が今年4月に続き、医療法人の出資評価について、原判決(東京高裁)を破棄し、
財産評価基本通達のオーソドックスな評価方法を指示する判断を下しました。
医療法人の出資評価につき、基本財産と運用財産とに分割し、分配可能な運用財産が
債務超過であるため、贈与税算定上ゼロであるという納税者主張が認められていた事案
です。
最高裁は、ある時点の定款の定めで払い戻しを受ける対象が財産の一部に限定されると
しても、定款変更によって払い戻しを求め得る潜在的可能性があるとして、納税者の主張
を退けました。
また、定款の払い戻しを禁止する規定が、再度変更されることを禁じられておらず、さらに
基本財産と運用財産との区分を変更する定款変更も禁じられていないことが、上記判断
を裏付けることになりました。
高裁判決が下された当時から、納税者の恣意によって課税対象を限定できることに、違和
感を持つ専門家も多かっただけに、妥当な判断ではないかと感じます。
判決では補足意見として、原判決のような考え方では「課税の公平を欠く結果にならざるを
得ない」との意見も付されています。
ほぼ同時期に、東京高裁において、出資社員が退社した場合に「返還」を請求することが
できるという定款の文言を、「出資した額を限度とする返還」と解する判断が下されていまし
たが、これも今年4月の最高裁判決で覆されています。
同最高裁判決では、「同様の定款を規定している医療法人の多くの出資者に予期せざる
不利益を及ぼすおそれがあり著しく法的安定性を害する」との補足意見も付けられました。
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