「不動産運用会社」を利用する
3回シリーズの2回目です。
不動産を多く含む相続について、所有のあり方を変えるという方法
があることをお話ししました。
まず、資産運用会社を活用する方法からご説明します。
本人又はその家族が資産運用会社を設立し、収益物件である建物を
個人から法人へ売却します。建物は個人の取得費で譲渡すると、
個人には譲渡益課税が発生しません。
資産譲渡に当たって、買い取るための充分なキャッシュが会社になく、
個人に対する会社債務が発生したならば、法人税を払ってでも利益を
出して債務を返してしまいます。会社債務が相続財産となってしまって
は何にもならないからです。
個人所得の最高税率は地方税を含めて50%にのぼりますが、法人税の
実効税率はせいぜい41%ですので、返済の過程ですでに「得をしている」
といえるのです。
これにより家賃収入は会社に帰属し、給与として家族に所得を分散させる
ことができます。保険を活用して退職金資金を用意し、これを納税資金に
充てるなどの策を立てることもできます。
平成18年度改正で同族会社課税がきつくはなりましたが、所得を分散
させることによる累進税率を低く抑える効果と、将来の相続財産を生前に
分散させる効果は消えることはありません。
さらに若干複雑な話ですが、個人所有の土地評価の仕方が変わることで、
相続財産の評価が下がるという副次的な効果も期待できます。
次回、引き続き具体的な相続税対策をご紹介します。
次のような方は早めにご相談下さい。
・「買換えの特例」をお考えの方(今年度末で期限切れのものがあります)
・法人を活用した相続対策をご検討の方
・相続を含めたタックスプランニングをご希望の方
コメント
ブログを読ませていただきました。記事について非常に興味があり、確認させていただきたいことがあります。
>>>建物は個人の取得費で譲渡すると、個人には譲渡益課税が発生しません。
とあります。
確かに、個人の取得費で法人へ建物を譲渡すれば損益が発生しないので、譲渡益課税は発生しないと思います。しかし、果たして取得費で譲渡を行って、税務署から指摘を受けないのでしょうか?一般的な時価(実勢など)との差額を受贈益に計上するという指摘を受けないのでしょうか?
コメントへのご回答
ご指摘ありがとうございます。
建物の譲渡に当たっては、不動産鑑定士に鑑定を依頼するなどして時価評価を行い、これに基づいて価額設定を行うべきと考えます。建物においては、減価償却後の未償却残高が取得価額となります。建物の構造用途に応じた耐用年数に基づく償却計算ですので、相応の客観性を付与された価額の目安と考え記載しました。もちろん時価との乖離があれば譲渡損益は発生すると考えます。
投稿者: 上野 貴幸 | 2009年12月02日 20:54