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2008年03月14日

医療法人の納税猶予 (税理士法人 福岡中央会計)

顧問先の院長先生のお取り計らいで、医業承継セミナーに出席させて頂き

ました。

非常に充実した内容で、確定申告の合間をぬって出席させて頂いた甲斐

がありました。


大手生保の講師の方は、「あくまでも私見ですが」と前置きしたうえで、

事業承継税制で導入される、自社株80%相当分の納税猶予制度について

ぜひ医療法人にも適用されるべきである、また適用されるように働きかけを

行うべきであると、述べられていました。


まさに我が意を得たりの感があります。


講師の方は諸外国の制度を例に挙げて、自社株の減額措置あるいは

納税猶予制度は、あくまでも 「業を営んでいる」 事実に着目して、その

適用対象を決定しており、同様の基準を我が国にも適用するなら医療業

が排除される理由はない、と仰っていました。


また剰余金の配当をしてはならないという医療法54条の規定によって、

もともと医療法人は内部留保が肥大化しやすく、相続時の課税によって

その矛盾が露呈する体質を持つので、医療法人こそ納税猶予の対象から

外すべきではない、とのご指摘もありました。


さらに現行税制で10%評価減が認められている、「特定(受贈)同族会社

株式等」では、医療法人はその対象とされており、この制度の導入時期に

医療法人が含まれた経緯なども引いて、納税猶予制度にも同様のことを

期待したい旨のことを仰っていました。


私も、確定申告期の実務で、「特定受贈同族会社株式等」の特例を使った

ばかりですが、この制度のなかに医療法人が含まれるのに、なぜ納税猶予

制度が不適用になる可能性があるのか、実務家の感覚として全く納得が

いきませんでした。


納税猶予制度が医療法人に対しては認められないだろう、とされるご意見の

根拠は、その対象がいわゆる「経過措置型医療法人」であって、あくまでも

例外的な法人類型であるので、法改正によって例外部分をすくい取ることは

ないのではないか、というものであると思います。


しかしながら、改正医療法施行に当たり厚労省職員が全国の医師会等主催の

説明会で、財産権の保証される「当分の間」とは、事実上「半永久的」ととらえて

もらってよいと説明してきた事実との、かねあいはどうなるのでしょうか。

医師会等への説明会からまだ1年しか経過しないというのに、法の基本姿勢

について重大な変更を加え、そのうえで納税猶予制度に対して消極的な立場

をとるのだとすれば、そもそも改正法は社会的に「承認」されうるのでしょうか。


「納税猶予」と「評価減」は制度の枠組み自体が異なり、同様の取扱を期待でき

ないという意見も説得力に欠けると考えます。法がいま現に社会が直面している

問題に公平・適切に対応しうるか、この一点から虚心に議論を重ねるべきでは

ないでしょうか。


厚労省、そして願わくば医師会の責任ある方々は、ぜひ納税猶予制度の医療

法人への適用を実現すべく、力を注いで頂きたいと痛切に感じます。

マスメディアにおいても、ネガティブな推測記事は百害あるのみと申し上げたいと

思います。


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2008年03月02日

いまこそ暦年贈与の活用を  (税理士法人福岡中央会計)

与党税制改正大綱で「遺産取得課税方式の検討」が謳われて以来、相続

税の具体的な仕組みがどうなるのか、財務省や税調の今後の動きが注目を

集めています。

現行の「法定相続分課税方式」から「遺産取得課税方式」への移行は確定

されたわけではありませんが、これは税理士会、財務省の思惑とも一致する

流れであるため、制度の大幅改定を念頭に置いて相続税対策も検討す

べきであろうと思います。


まず「遺産取得課税方式」に移行すると、基礎控除や税率の仕組みが従来

とは全く異なるものとなるはずです。とりわけ基礎控除は、従来の相続人の

数によって決定されるものではなく、相続人ごとに予め決められるものになる

と考えられます。いずれにせよ、従来と比較して極端に低いラインに課税

最低限が引かれるものと考えられます。

このあたりの数値の予測などは、弊事務所コラムに掲載しておりますので

ご参照下さい。  (弊事務所コラム欄はこちらからどうぞ) 
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そうしますと、暦年贈与で毎年保証される110万円の基礎控除額は非常に

魅力的なものになってきます。

そこで、暦年贈与の活用が注目されるわけですが、問題は若干複雑です。

遺産取得課税方式は、具体的な相続人が、遺産をいくら取得したのかという

点に着目して課税する制度です。遺産を事前に小分けして贈与してしまう

暦年贈与とは、本来的に相性が悪い制度であると言ってよいと思います。

事実、遺産取得課税方式を採用するフランス、ドイツでは相続前10年

間に生前贈与した財産を、相続財産として再認識して相続税を計算する

方式を採用しています。

つまり、遺産取得課税方式の採用は、暦年贈与制度の改正をももたらしうると

言えるのです。そして現在のテクノロジーによれば、10年間の贈与財産の再

把握などは、訳のないことでしょう。


だからこそ、このような事態に至る前に、暦年贈与を徹底して活用すべき

ではないでしょうか。フランスやドイツのような事態に至らず、杞憂に終わった

としても、少なくとも現時点では暦年贈与制度が確実な相続税対策であること

には、変わりがないのですから。


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