遡及適用訴訟で納税者逆転敗訴
先日の福岡高裁の判決で、不動産の譲渡損失の損益通算を不可とする
法改正を1月に遡って適用した事例につき、遡及適用は違憲とした福岡
地裁判決を覆す判断を下しました。
同様事例の先発隊として、違憲判決を勝ち取ったものの、その後、遡及
適用の合憲判決が相次ぎ、注目を浴びていた控訴審判決であるだけに、
非常に残念な結果です。
素朴な感想として、「自民党税調大綱」のごく控えめな新聞等報道をもって
納税者への周知がある程度できている、という判断は、一般常識から極め
てはずれていると考えます。
「情報格差」という言葉があります。
相続税制の大幅な変更が見込まれる、公益法人改革がいよいよ現実に
動き出す、といった最近の制度激変期には、とりわけ情報強者により多く
の優位性が集中します。
制度を改正する立法府および、現実にこれを適用する行政府の配慮は、
特に情報弱者に手厚くあるべきであると思いますし、この点に関する司法
の判断はより厳格さの求められるところであると考えます。
自民党税調大綱発表から2週間もあるのだから、いかようにも動けたはず
だなどという判断を、かりに判決が後押しするのであれば、司法の役割を
果たしてはいないと言わざるを得ません。
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