新医療法人移行時の課税関係について
やや古いニュースになりますが、国税庁は 「贈与税の非課税財産及び
公益法人に対して財産の贈与等があった場合の取扱について」 の一部
改正を公表し、そのなかで医療法人の新法人移行時の贈与税判定基準
についても見直しを行っています。
既存の「経過措置型医療法人」が、「出資持ち分のない法人」に移行した
場合、持分放棄によって相続税が不当に減少した場合には、法人に対し
て贈与税が課されることがありますが、 その例外について新法人類型に
即した改正が行われました。
とはいえ、おおかたの予想通り、極めて厳しい改正ではありましたが。
ここで贈与税課税の対象外とされるのは「特定医療法人を想定した基準」
または「社会医療法人を想定した基準」のいずれかを満たすものとされて
います。
特定医療法人、社会医療法人への移行時課税は行わないことは当然とし
て、その「外延部」にも贈与税課税なしの恩恵を与えるというものです。
ここでようやく門戸を開放されたのは「4疾病5事業」に係る医療連携体制
を担うものとして、地域の医療計画に記載される法人であって、社会医療
法人が満たすべき、夜間救急自動車搬送件数年間750件などの厳しい
「実績基準」や「事業規模基準」を満たすまでには到っていない法人という
ことになります。
裏返して言うと、上記のような要件を満たさない社団医療法人がうかつに
新類型医療法人に移行すると、贈与税課税の危険が極めて高いというこ
とです。
上記の場合でも、仮に時価1億円の純資産に対応する出資を1千万円の
「基金」に変更した場合の、出資者に対する、みなし譲渡所得課税の問題
はクリアされたわけではありません。 また額面1千万円の出資を1億円の
「基金」にすれば、当然に出資者に対して配当所得課税が発生するものと
考えられます。
今回、例外的に贈与税を免除されるレアケースの法人以外では、贈与税
課税の問題以外に、出資者に対する上記課税問題がつきまとうことになり
ます。
経過措置型医療法人については、まだ税制上の「出口」はほとんど開かれ
ていないと言ってもよいでしょう。
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