税収中立とは何か
相続税の半世紀ぶりとも言われる大改正について、自民党税調の柳澤小委員
長は、基本的に「税収中立」とし、最高税率の引き上げなどの措置はとらないと
述べています。
しかしながら、導入の予定される「遺産取得課税方式」は、取り分の多い相続人
に、現行制度に比して重税を課すシステムとなることは、原理的に避けられない
ところであると考えます。
反面、取り分の少ない相続人には、税負担が減少する効果は生じますが、累進
税率の高い「取り分の多い相続人」の増税効果の方がより大きく、「税収中立」
は、制度の本質上あり得ないのではないか、とも考えます。
仮に、税率構造をよりなだらかに改正するのであれば、例えば配偶者への分割
を手厚くするなどの分割方法に変えることによって、節税を誘発することも予想さ
れます。
税制が分割方法を誘導することも、決して健全なこととは考えられませんし、より
若い世代に財産の移転を誘導しようという、そもそもの財務省の目標ともズレが
生じてしまいます。
課税方式のドラスティックな転換を伴う以上、「税収中立」という語の意味を明確
にし、誤解や失望を伴わないような配慮も必要ではないかと考えます。
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