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2012年05月02日

固定資産税の「審査請求書」提出期限まで約1カ月

固定資産税の納税通知書が納税者のもとに到達してから、1カ月が経とうとしています。

今年は3年に1回の評価替年に当たることから、土地・建物の評価が更改された通知書が

手元に届いていると思います。

固定資産税の評価に不服があるときには、通知を受けた日から60日以内に「審査請求書」

を提出し、評価のやり直しを求めることができます。

つまり、あと1カ月以内に審査請求書を出さなければ、今後3年間不当に高い固定資産税を

納め続けなければならないことになります。


昨年、相続のお手伝いをしたご縁で、固定資産税評価額が異常に高額な土地を見出しまし

た。納税者の依頼により、区役所の固定資産税課に不動産鑑定評価を持って訪ねたところ、

評価替えの年でないため、「審査請求書」は受理できない旨の説明を受けました。

その後、押し問答の結果、評価が適正ではなかったこと、平成24年度の改訂時に相当の

減額を行う旨の回答を得たので、納税者の了解を得て審査請求書の取り下げを行いました。


ところが、それから1年経過した今年4月、納税者から、評価額の変更がなされていない旨

の連絡を受け、区役所に問い合わせたところ、「修正が漏れていました」との、あまり反省の

色のない回答です。評価替えを行ったうえ、第2期以降の税額で調整するとの善後策を提示

されました。


役所の仕事は常に監視の目を向けること、書類の取り下げは安易に行わないことが、教訓

として残りました。


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2012年04月16日

一般法人に移行後の予算案承認決議

この4月から、一般社団法人、一般財団法人として再スタートを切られた法人は、初めての

一般法人としての総会のあり方に、戸惑われておられると思います。


多く寄せられる質問は、事業計画および収支予算案は、総会の決議事項なのかどうかという

ものです。多くの一般法人で予算案の総会承認を得ているケースが多いようなので、確信が

持てないのだそうです。


一般法人の標準規定は、社員総会の決議事項とはなっていません。従って、基本的に理事会

承認と考えて良いようです。しかし定款で事業計画および予算案を総会の決議事項としている

法人も多いようなので、定款の確認が必要です。


また定款で総会の決議事項としていない一般法人であっても、理事会の承認を得たうえ総会

で報告事項とする、などの配慮は必要と考えます。


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2012年04月10日

弊事務所スタッフ、リスクマネジメント協会理事長特別賞を受賞

弊事務所スタッフ、別府伸一をメンバーとする研究グループが、リスクマネジメント協会主催

2012年次大会特別講習・研究発表会において、見事、「理事長特別賞」受賞(優勝)の

快挙を果たしました。


東京、大阪、名古屋、福岡の4会場、合計32グループによる研究発表のなかで、別府伸一が

所属する「福岡企業リスク研究会ローファームグループ」による研究発表「中小企業のための

事業継続計画(BCP)導入」が頂点を極めたのです。


税理士事務所の確定申告期における激務をこなしながらの堂々の受賞です。心からおめでとう

を言いたいと思います。


来年の4月にはロサンゼルスで開催される世界大会に「日本代表」として出場します。

ロンドンで鍛えたクイーンズ・イングリッシュで、素晴らしいプレゼンをしてくれるでしょう。


 リスクマネジメント協会のHPはこちら↓
 http://www.arm.gr.jp/


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2012年04月03日

奥様医業経営塾のスケジュール

毎年恒例になりました、奥様医業経営塾の日程が決まりましたのでお知らせします。


診療でお忙しいドクターをかげで支える奥様に、分かりやすく医業経営についてご説明

いたします。

節税にとどまらず、医業経営の勘どころをまんべんなく押さえることのできる、よい機会

だと思います。 弊事務所会議室にて開催いたしますので、ご希望の方はご遠慮なく

ご連絡下さい。(092-715-55551 担当:隈和宏税理士)


なお、日程は以下のようになっております。

 第一講 6月 6日(水)10:30〜12:30
     決算書の見方、税務調査について、
     資金繰り、医療経営の変化について

 第二講 6月20日(水)10:30〜12:30
     やさしいマネー講座

 第三講 7月 4日(水)10:30〜12:30
     クリニックのマーケティング戦略と労務対策

 第四講 7月18日(水)10:30〜12:30
     節税対策、医療法人化・MS法人等の検討


 詳細は↓
 http://www.amplan.net/fctax/seminar/index.cgi

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2012年03月31日

国税庁の法人実態調査

国税庁は、去る3月21日、平成22年度の法人企業の実態調査として、会社標本調査の

結果報告を行っています。


国税庁標本調査結果↓
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kaishahyohon2010/kaisya.htm


これによると欠損法人の割合は72.8%にのぼり、過去最悪といわれた平成21年度と同率

となっています。 黒字を出しているのは、4社に1社だけということになります。

欠損法人割合が高い業種は、料理飲食旅館業(83.8%)、繊維工業(83.1%)、出版印

刷業(80.9%)の順で、これも平成21年度調査と変わりません。

なお、この調査は平成23年3月までに終了した事業年度を対象として調査のため、来年公

表される平成23年度調査結果は、震災の影響を受け、より厳しい数字が予想されます。


また、平成22年度の交際費等支出額2兆9,360億円というのは、過去30年間で最低の

金額となっています。調査時点からみて、震災の影響と言うよりも生き残りのための必死の

削減努力の表れと見るべきでしょう。


寄附金の支出額は6,957億円となっており、前年度比で27.3%の増加で、寄付金の統計

を開始した昭和37年分以降で過去最高額となっています。これは東日本大震災を受けての

数字と考えられますので、平成23年3月に寄付金の額が集中したことを物語っています。


平成23年度標本調査では、交際費の切り詰め、寄付金の増額が、よりくっきりしたかたちで

数字に表れることが考えられます。


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2011年03月29日

災害義援金の取扱いについて

東日本大震災復興のための義援金を募る動きが広がっています。

団体が個人や企業から義援金を集め、これを日本赤十字社などに寄付する場合や、寄付を

集めた団体そのものが、寄付金を費やして被災地支援活動を行う場合など、様々なパターン

が考えられます。

国税庁は、寄付金をめぐる寄付者および寄付を募る団体からの質問事項を集めたQ&Aを

公表していますのでご紹介します。


http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/gienkin/gien_faq.pdf


例えば団体が募金を預かり、それが最終的に国、地方公共団体に拠出されるものであれば、

当該団体が、国、地方公共団体に拠出されることの確認を税務署で受けたうえ、税制上の

優遇措置を受ける旨を記載した「預り証」を寄付者に発行することになります。


寄付者が税制上の優遇措置(個人であれば「特定寄付金」、法人であれば「国等に対する

寄付金」の優遇措置)を受けるためには、上記「預り証」、県災害対策本部等の「受領証」が

必要になります。

また「振込口座」が義援金の受付専用口座である場合に限って、郵便局の半券(受領証)や

銀行振込みで支払った場合の振込票の控えが、預り証、受領証の代わりになります。

この場合、個人においては義援金を振り込んだ口座が義援金の受付専用口座であることが

分かる資料(新聞報道、ホームページ写しなど)を確定申告の際に提示する必要があるとの

ことです。


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2010年02月05日

「自由」について

フランス革命の標語「フラタニティ」、「平等」について塩野七生さんのエッセーを紹介して

きましたが。当然「自由」についても触れておられます。  フランス革命200年に寄せて

書かれたものですが、前二者に比べてもとりわけ陰鬱な印象を受ける内容です。


東欧の共産圏から自由を求めて脱出に成功したものの、結局、自由を捨てて難民となり

再び共産圏に戻りたいと願う人々の話です。 ウィーンに難民収容所があり、ここで難民

となった人々に、テレビ番組がインタビューを行うのですが、彼らの答えが「自由」の強い

る緊張に耐えられなくなった、というものなのだそうです。

ベルリンの壁崩壊直前の話ですので、その後の旧東ドイツ国民の膨大な数の自殺者を

予想させる逸話です。


新自由主義の祖として、いまでは毛嫌いされることの多くなった政治哲学者ハイエクは、

人間本性の市場経済に対する適合性について、意外にも終生悲観的な考え方の持ち主

でした。 そして、とりわけ晩年にその傾向が強くなっていったと言われています。

ハイエク初期の全体主義批判の書として知られる「隷属への道」にしても、人々の「市場

への反逆のメンタリティ」を絶望的に感じ取っていたからこそ“市場さもなくば隷属”という

二者択一を迫ることになったとも考えられるのです。(「ハイエクの政治思想」 山中優著

勁草書房 に詳しく解説されています)


我々は自由に耐え得るほどに強い存在であるのかを問い直すことで、もう一度「自由」に

対する考え方を整理することができるのではないかと考えます。


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2010年02月03日

「平等」について

前回触れた塩野七生さんのエッセーは、フランス革命200年を期に(ということは1989年

に)書かれたもののひとつです。

フランス革命の標語のひとつ「平等」についても、同じくエッセーを記しておられ、私たちの

思考を喚起してくれます。

少し長くなりますが引用させてもらいます。


「人間は所詮、認められるからこそ苦労もいとわない存在なのだ。(中略)高尚なる理想が

破綻するのは、この実に単純で明快な人間性を無視するからではないのか。 とはいえ

人間はなんと人間性無視という誤りを性懲りもなく繰り返すのかと考えるとまったくいやに

なってしまう。 しかも、それらがほとんど一つの例外もなく善意から発しているのだから、

いやになるのを超えて絶望感をもつ。」(フランス革命200年・平等)


無制限な自由競争を緩和するためにハンディをつけたうえでスタートさせる仕組みも、ハン

ディ有、無両者にとって納得の得られる結果をもたらさない。 そこで「海の都」ヴェネツィア

共和国が採用したのが「敗者復活戦」であり、これによって社会の動脈硬化を長期に防ぐ

ことができたと塩野さんは述べています。

「ヴェネツィアで平等といえるのは、法の施行のみである。利益の分配に関しては公正と

いう文字しか使えない」と、前掲のエッセーは結んでいます。


子ども手当の平成23年度からの満額支給は難しいとする意見が、政府内からも聞かれる

ようになり、首相があわてて国会答弁でこれを否定するという事態が生じています。

子どもは社会の預かりものという「善意から発した」政策は、結局のところ分配の公正につ

いて確固たる思想も、深い議論も欠如していたのではないかと思うのです。


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2010年01月27日

フラタニティについて

「ローマ人の物語」で知られる塩野七生さんが、フランス革命の標語のひとつ「フラテルニテ」

を日本語で「博愛」と翻訳されることについて、強い違和感をおぼえるということをエッセーに

書かれています。 80年代後半に書かれた、かなり昔の文章ですが。

英仏独伊のどの辞書を調べても、「兄弟間の情。同胞愛。友愛。」と説明されており、キリスト

教文化をとおった西欧思想のもとでのスローガンとして考えると、「同志愛」とでも訳すのが

適切ではないかと述べられています。 まさに慧眼と言うべきです。

「古代ローマ人そこのけの大虐殺をやってのけたのが、フランス革命の現実であった」ことも

こう翻訳し直すことでようやく納得がいくのです。


全体主義を厳しく批判した、政治哲学者のハンナ・アーレントもほぼ同じことを述べています。

兄弟愛・同志愛にもとづいたフランス革命において、共感の輪に加わらない人民の敵は容赦

なく断頭台の露と消えていきました。 彼女は古代ポリスで形成された「人間性」に、今日の

公共性を構築し直す鍵を見出すのですが、それは同族的な同情に由来するフラタニティ=兄

弟愛ではなく、自由な会話のなかに成立するfriendship=友情を基盤とすると述べています。


鳩山首相の掲げる友愛も、当初海外紙の紹介ではfriendshipなどと訳されていたと思います。

フラタニティという言葉を当てられることで、行政の長が同志の無実を信じて「戦ってください」

などという発言をする事態についても、かえって理解しやすくなったかもしれません。


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2009年05月08日

クライスラー破綻と「自己責任」(その3)

「私は約束する」と言述して、これを履行しなかった者の「負い目」の感覚は、

特定の共同体からつまはじきにされる恐怖心とも異なるものです。


数十年の長期計画を立ててこれを履行すると言述した政策当事者が、現実

にはそれを履行できなかった場合、その責任を具体的に追及することはまれ

でしょう。彼の言述は政策パンフレットに過ぎず、「長期的にはみんな死んで

しまう」と割り切るのがクレバーな方法なのかもしれません。

つまり、共同体は彼をつまはじきにすることがないのです。


実際、ケインズはそのように割り切りましたが、ハイエクはその非倫理性を最

も嫌いました。


ケインズにしたところで旧来の経済学のくびきから脱して、政策エリートによる

社会工学的な問題解決を優先させることに主眼を置いたわけであって、政策

エリートを拘束しかねない「倫理」の問題をあえて遠ざけたふしが見られます。


このように「責任」の語を長期の時間の相に置き直してみることで、その倫理の

側面がクローズアップされます。

あえて遠ざけるにせよ、そこに重要性を見出すにせよ、人格のより深い部分へ

の訴えかけをしてくる「負い目の感覚」を除いては、社会制度について正確に

語ることはできません。


クライスラーの破綻処理は、GMの再建協議にも影響を与えるため、舵取りを

誤ると、世界経済への影響ははかりしれません。

しかし、他に重大な有責当事者がいるという事実によっても、連鎖倒産を避け

なければならない客観情勢があるという事実によっても、決して軽減されること

のない責任の視点は必ず残るのだと思います。


少なくとも、「責任」の一語は、決してトレンドの経済言説によって、取換え可能

なイデオロギー言語におとしめてはならないと考えます。


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2009年05月07日

クライスラー破綻と「自己責任」(その2)

自己責任という語に関しては、市場参加者たるための最低限のルールを血肉化し、

状況によっては市場からの放逐も甘受する覚悟、といった本来の用法が、次第に

「拝金主義者」が弱者切り捨てをする際の言い訳といったニュアンスも含むようにな

ってしまいました。


冷静に考えるならば、単なる拝金主義者はリスクをとる側にではなく、むしろ政府に

よる保護政策を期待する側にこそ、数多く存在しているはずなのですが。


「自己(宛ての)責任(追及)」という語の構成をとるため、「責任を転嫁する先が他に

存在しないこと」という限定的な意味合いを帯びることになったのは致し方がないの

かもしれません。

しかし「責任」とは、特定の共同体内で、一定の事象の結果、一定の債務履行義務

を誰に負わせるべきか、というテクニカルな問題にとどまるものではありません。


例えば「私はしかじかのことを約束します」と言述する者は、「約束」という行為を遂行

したのであって、これを反古にすれば、約束の言述は次回以降「無効」とみなされると

いう社会的な制裁をかなり高い確率で受けるでしょう。これが「責任」のプラクティカル

な側面のひとつです。


しかし、これも所詮、共同体内(仲間うち)での行為の有効・無効の話にとどまります。

(次回に続きます)


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2009年05月06日

クライスラー破綻と「自己責任」

クライスラーは4月30日連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請し

ました。

オバマ大統領は、同社の倒産をめぐる会見で「強欲」な金融資本、とりわけヘッジ

ファンドが再建策の結実を阻んだとして厳しく責任を追及しています。

ここで、クライスラーの経営責任の追求よりも、金融危機を招きながら再建を阻ん

だヘッジファンドへの責任追及にアクセントがおかれていることが注目されます。


ほんの数年前までであれば、公的資金の投入に対して「自己責任」の名において、

クライスラーが徹底的に批判されていたはずです。

翻って、わが国において「自己責任」といえば、市場原理主義の犠牲者を切り捨て

るための、新自由主義のイデオロギー言語として扱われかねない勢いがあります。


思えば90年代半ばまで「自己責任」という語は、「不良債権」と並んで我々にはなじ

みの薄い言葉でしたが、銀行の不良債権処理やM&Aなど企業整理をめぐって一躍、

時代のキーワードになっていきました。

当時ワシントンDCに住んでいた私にとって、「自己責任」とは日本から電子版で届け

られる新聞に急速に使用頻度の高まった日本語であり、日常言語とはやや趣を異に

した言葉として接した記憶があります。

その後の経緯を顧みると、使い始めて日の浅い用語であったために、不当に乱暴な

扱われ方をされてきたようにも思います。

(次回に続きます)


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2009年03月07日

再びresponsibilityについて

以前、事業承継税制に関するコメントで触れたように、responsibility(責任)とい

う語は、response(応答)-ability(可能性)の組み合わせというかたちをとってい

ます。 http://www.fc-tax.com/weblog/2009/02/responsibility_1.html

他者の追及に「応答する」気構えがあるという意味合いで、「応答可能性」と置き

換えることも可能です。


企業の不祥事などで、第一線の責任者が自ら命を絶ってしまうことがあります。

文字通り「応答」が不可能になることで、秘密を墓場まで持っていってしまうので

すが、我々はこれに倫理的な違和感を抱きます。

本当の「巨悪」の「応答可能性」を阻害したという意味において、そう感じることも

あるでしょうが、死んだ当人が仮に「巨悪」であったとしても、やはり違和感は残り

ます。

これは、我々の属する「法=共同体」の制裁を課する機会を逸したという悔恨の念

だけでもなく、本来応答すべき声に答えていないことに対する、漠然としたもどかし

さのようなものだと思います。


人間はある程度の経験を積むことで、「全体を見渡せる」ように感じます。そして人

のために良かれと思って、全体を見渡したうえで判断を下しても、他者にとっては

迷惑千万ということも珍しくありません。

我々は、思わぬところで「応答可能性」を問われなければならないのです。

「全体を見渡した」はずの個人が、全く予期しない反応を示す他者に遭遇するある

種、「畏れ」の感覚がresponsibilityではないかと考えます。


先程述べた、漠然としたもどかしさとは、この畏れの感覚が欠如していることに対

する違和感ではないでしょうか。


新自由主義の誤りを言い立てることが一種の流行になっていますが、新自由主義

の第一人者ハイエクは、人間が無知であるにもかかわらず、あたかも全体を見渡

せるかのように振る舞うことを徹底して批判しました。

どんな善意に基づいた制度設計であれ、みずからのパースペクティブに対する反省

がない限り、ハイエクによれば「無責任」なのです。


我々は租税実体法について意見を述べるべき立場であることを、前回述べました。

同時に、これに伴って重い責任を負うことを覚悟しなければなりません。

 
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2009年02月09日

事業承継税制とresponsibility

弊事務所の事務所通信1月号において、私は事業承継税制の問題点について

記載しました。 http://www.amplan.net/fctax/column/column.html

要約すると、同税制において「贈与税の納税猶予制度」がその重要なファクター

として組み込まれることによって、制度全体が変質してしまったのではないか、

その結果、当事者のモラルをめぐる違和感をさえ抱かざるをえなくなったという

趣旨でした。

贈与税の納税猶予を次世代にいわば押し付けることで、相続税の納税猶予を

選択した当事者が、納税猶予の免除を受けることになるのならば、これは制度

選択の当事者と、その責任を取る当事者とが一致しない制度であって、大きな

問題を内包するのではないかという指摘です。


ここでいう責任とは、さしあたり obligation とでも置き換えられます。

つまり制度選択者の当初の目論見と異なった判断を、次世代の当事者が下す

ことによってペナルティーが次世代に下される、即ち納税の責任 obligation を

次世代が負わされるということです。

一方、制度選択者は、みずからの結果的な判断ミスに関し、次世代当事者に対

して道義的責任を負います。 これを responsibility と言い換えることができると

思います。

これは他者への応答(response)において立ち現れる当事者の立場です。


両当事者が生きている間には、例えば不利益を被った当事者が、有責当事者に

対して、何らかの補償の義務を負わせる(oblige)可能性も考えられます。 ここで

は責任 obligation の相補性がかろうじて存在します。

ところが、世代を超越して制度が機能してしまい、有責当事者と不利益を被る当

事者とが、同時に生存しない可能性もあります。このとき責任の問題は respon-

sibility へと純化します。

遠い未来の他者に対して、我々は既に存在しない「死者」として対峙します。

我々がそのような視座において判断を下すとき、responsibility を強く意識せざ

るを得ないはずです。


この制度が無責任であるとすれば、 「他者の不利益に対する補償を負わされる

(oblige)ことがない」という意味だけではなく、「他者の追及に応答 (response)

しない」ことを含意します。

問題は、従って制度の倫理に関わるものであると考えます。


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2009年01月06日

変化を恐れない年に

多くの経営者の方々が集まる、新年のご挨拶の席に出席してきました。


ある経営者は、不況下こそ様々な企業が新しい知恵を出し合い、新しい組み

合わせが起こる、またとないビジネスチャンスだ。よい年が巡ってきたと考え

たいと話しておられました。


ほとんどが私より年上の先輩方ですが、事業を興され多くの従業員を抱えて

難局を乗り越えてきた経営者の方々の気力には、大いに感銘を受けます。


アメリカのシリコンバレーでは、この不況下にあっても経済動向を貪欲にかぎ

わけ、それをビジネスに結びつけて、デファクトスタンダードにまで一気に築き

上げてゆく進取の気性が、起業家に満ち満ちているそうです。


今年は経済構造の大転換の年になるかもしれません。 日本経済を下支えし

てきた中小企業の経営者が、いまこそ大きな夢を描き、変化を恐れない勇気

を持つべき時なのではないかと感じます。

  
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2008年11月04日

ドイツ・ニュルンベルク税理士会役員御一行 来訪

九州北部税理士会とニュルンベルク税理士会との相互訪問の一環で、

ニュルンベルク税理士会の役員御一行が来日されています。

11月1日、御一行は九州北部税理士会の役員方とともに、わが税理士

法人 福岡中央会計の本社事務所においで頂きました。


昨年、永年の日独友好の功績によって受勲された、セビガー名誉会長、

ニュルンベルク税理士会デーラー会長をはじめ、役員の皆様方、奥様方

が当事務所を訪問され、友好のひとときを過ごすことができました。


セビガー博士は85歳とは思えないお元気さで、時折流ちょうな日本語を

交えてお話しいただきました。

また私の拙い英文翻訳につきましてもお言葉を頂戴し、大変恐縮いたしま

した。セビガー博士はいつお会いしても、暖かいお気遣いを忘れない素晴

らしい方であると改めて感じ入りました。


デーラー会長も12年前にお会いした時と、殆ど変わらぬ若々しさを保たれ、

私ども事務所会長の骨董コレクションについて、お褒めのお言葉をかけて

頂きました。本当に有り難うございました。


12年前のご訪問の折りにお手紙のやりとりを行い、その後クリスマスカード

を送って下さる、シュトライヒ先生と再会できたことも、大きな喜びでした。


また井山会長はじめ九州北部税理士会の役員の方々にも、事務所ご来訪

時にはお世話になりました。改めてお礼申し上げます。


ニュルンベルク税理士会御一行の道中のご無事を、心からお祈り申し上げ

ます。


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